ねこ
しんでるわけじゃありません。
ゴロゴロ言ってるだけです。
いやいや、マシュマロマンのような私の手を見てるばあいじゃないですよ。
この猫、ある日突然出会いました。
夜に家に帰っていると
にゃああ
とどこから声が聞こえまして、
ダダダダッ
っと、音を立てながら私の前に走り込んで、即座に
私の前でお腹を見せて寝転びました。
速っ。(走ってくるのも、心許すのも)
と、若干引き気味で私はそこを素通りしました。
だって、私、アレルギーがあるんですもの。
しかも、この調子じゃ可愛がり様によっては、「こいつならイケる」と思われて何をたかられるかわかったもんじゃないですからね。
しかし、その猫はそうやって無視を決め込んだ私が通り過ぎる度に、前に回り込んでは私の足ににゃにゃあ。すり寄りながら、転がるんです。
いや、私あなたと初対面ですけど?ていうか、初対面でその調子じゃ、世の中どんな悪党がいるかわかんないのに生きていけないですわよっ。
と、猫に教訓を教えるべく、心を鬼にして素通りを繰り返し家路を急ぎました。
ていうか、もしかしてこれは懐いているのではなくて、蚤でもいるの?かゆいの?私に蚤を移住させたいだけなの?!
と疑わせる程にはしつこくすり寄ってくるのです。もう、歩けないくらいに。
しまいには暗いし、素通りしてるのに足下に来て階段の一段おきに寝転ぶものだから
軽く踏んでしまいましたよ。
でも、それでも猫はめげません。
その日からちょいちょい見かけるようになり、私が家にいる、土日にはしょっちゅう家の周りで「にゃあにゃあ」鳴いてアピールするようになりました。
それから二ヶ月くらい経って、とうとう根負けし、猫を撫でることにしました。これで一度撫でて私が蚤でももらえば、彼女の目的が蚤だったことが確かなものになるわけだし、これで私も納得がいきます。
でも、あれ?
その日はひとしきり撫でていると満足したように去っていきました。
も、もしかして撫でてもらうのが目的?どんだけなの?
まあいいや。
これで、満足したでしょう。と思っていたら。
一軒家の二階の窓にまできて各部屋を「にゃああ」と入ろうとしてきます。
途端にこえぇよ
ちっ。家に入り込むのが目的か…やはり。
それにしても、夜中に突然窓の外から鳴かれたらこわいんですけど。
やはり、慣れない事はしないで、猫ちゃんとはあたりさわりなく接しようと思いました。